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 2010年度 研究支援 成果報告
 2011年度 研究支援 成果報告
合成(K,Rb,Cs)フッ素雲母鉱物の結晶構造と赤外分光分析
石田 清隆
 雲母族鉱物は上部マントルおよび地殻の主要造岩鉱物の1つであり、多くの観点から研究がなされてきた。すなわち、雲母族鉱物の結晶構造には、十二面体席、八面体席、四面体席の大小3種の陽イオン席と、さらには(OH,F,Cl)が入る席があり、層状の比較的単純な構造でありながら、角閃石族に次いで多種多様なイオン種を保持できる。また、それらのイオン席で固溶体をなし、結晶構造も複雑に変化してくるので、天然および合成雲母で多数の結晶化学的研究が蓄積されてきた。申請者は、十二面体にBaを含む木下石(=木下雲母ともいう)を合成してその遠赤外吸収スペクトルを測定し、従来の遠赤外吸収バンドの帰属決定(=各吸収ピークとその振動様式の決定)が間違いであることを示した(Ishida and Hawthorne, 2011)1)。そこで、本プログラムでは、十二面体席KをRb,Csで置換し、四面体と八面体席の種々のイオン種をもつ雲母を合成して、それらの結晶構造の変化とその結晶化度をX線回折法と赤外分光法によって究明していくことが主眼である。なかでも、熱力学データに必要な、遠赤外吸収スペクトルの帰属決定には依然として混乱があるので、本プロジェクトのデータを合わせて、正しく帰属決定(=アサイメント)をしていく。さらに、とくに最近問題となっているCsであるが、イオン半径が大きいCsイオンを保持できて容易に合成できる鉱物種の代表は雲母であり、Cs雲母の最も結晶化度の良いイオン組み合わせについて究明する。下図は十二面体席をK, Rb, Csで置換し、四面体席SiをGeで置換した合成フッ素金雲母の遠赤外吸収スペクトルである。詳細については、論文作成中である。

  
1) K.Ishida and Frank C. Hawthorne(2011) Far-infrared spectra of synthetic [4][(Al2-xGax)(Si2-xGex)](OH,OD,F)2-kinoshitalite: Characterization and assignment of interlayer Ba-Oinner and Ba-Oouter stretching bands. American Mineralogist, 96, 566-576.