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比較社会文化研究院
基層構造講座
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九州大学P&P
 ●概要

 日本・中国・韓国・台湾から資料収集を行い、LA-ICP-MS、FE-EPMA、蛍光X線分析装置等の分析機器を用いて、古人骨・歯への非破壊多元素同位体解析を行う。それと平行して地質・水質調査を行い、人骨のSr同位体比と比較して、婚姻による移動、広域的人口移動、季節的移動を、親族関係研究と対比しつつ解明する。さらに、石器及び石材、土器や青銅器に対して高精度元素分析・EMP年代測定を実施して精密な産地同定を行い、生存財から威信財までの生産と流通(物流ネットワーク)を解明する。これらの調査・分析の結果を年次ごとに総括・点検するため海外の協力者・研究者と合わせて国際ワークショップを開催し、HP等で発信する。そして、最終年度にはこれらを総合して原始古代の社会システムを通時的に明らかにし、総括ワークショップを行うとともに成果を発信する。


 ●22年度の計画

①    従来の研究成果を整理検討し、本研究に必要な考古資料に関する情報を田中(東アジアの人骨資料・石器資料)・岩永(日本青銅器資料)・宮本(韓国・中国青銅器資料)・溝口(北部九州弥生土器資料・石器資料)の分担で精査し、分析資料を選定する。

②    小山内・狩野・中野は考古資料の地球科学的分析方法の開発・洗練を行い、分析に備える。

③    九州大学総合研究博物館・比較社会文化研究院基層構造講座所蔵古人骨のうち、縄文時代・弥生時代前期人骨の歯牙に対してLA-ICP-MSによる同位体分析を行う。また、基礎資料として、関連する地域の地質・水質調査を行い、対照データを作成する(狩野・中野・小山内・田中)。また、それと並行して、韓国・台湾・中国における歯牙資料の収集を行う(田中・宮本)。これには韓国東亜大学校・台湾大学・台湾中央研究院・四川省文物研究所の協力を得る。

④   福岡市今山をはじめ石器原料として知られる福岡、佐賀、壱岐、対馬の石材を採集し、走査型蛍光X線分析装置・FE-EPMAにより化学組成、構成鉱物組成、同位体組成(年代測定)に関する基礎データを作成する(小山内・中野・田中・溝口)。それと並行して九州大学総合研究博物館、人文学研究院考古学研究室、埋蔵文化財調査室所蔵の弥生時代石器の分析を行う(小山内・中野)。

⑤    埋蔵文化財調査室所蔵の弥生式土器を中心に胎土・混和剤・化粧土を用い、FE-EPMAにより化学組成、構成鉱物組成、同位体組成(年代測定)に関する基礎データを作成する(小山内・中野・田中・溝口)。

⑥ 九州大学総合研究博物館、人文学研究院考古学研究室、埋蔵文化財調査室所蔵の青銅器・をFE-EPMA・LA-ICP-MSにより分析し、青銅器の元素組成、金属の密度分布、結晶構造に関する基礎データを作成する(小山内・中野・岩永)。

 ●23年度の計画

初年度の研究を以下のように継続し展開する。

①    北部九州・壱岐、対馬の石材採集と分析を継続し、さらに韓国・台湾における石材収集を行い基礎データを充実させる(小山内・中野・田中・溝口)。また、北部九州を中心とした西日本の弥生時代石器、韓国青銅器時代石器の分析を行う(小山内・中野)。

② 北部九州弥生土器の基礎データを充実させ、大野城市牛頸窯跡・宗像市須恵須賀浦窯跡などの須恵器の基礎データも作成して、集落・墳墓への流通状態の検討を行う(小山内・中野・溝口)。

③ 各地の青銅器・鉄器を九州大学まで搬送し、青銅器の基礎データを充実させるとともに、製作地の判別と流通の検討を行う(小山内・中野・岩永)。

④ 韓国・中国の青銅器・鉄器について分析を行う(宮本)。それと並行して国内所蔵の韓国・中国出土青銅器を九州大学まで搬送して分析を進める。そのためには美術梱包等の運搬方法が必要となる。

⑤ 以上を総合するため数回のワークショップを行い、海外の協力者・研究者を招聘して統括シンポジウムを開催して、原始古代の社会システム、とりわけ社会の複雑性の進行に伴って、親族組織~首長がいかに地域社会を形成し物流をコントロールしたかを通時的に明らかにし、東アジアにおける比較研究を行って、原始古代社会構造モデルを構築する(全員)。

⑥ 以上の成果を学会発表・学会誌だけでなく、ホームページ、出版物で発信する(全員)。