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九州大学大学院比較社会文化学府・研究院の公式チャンネルを開設しました。
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 人文地理学を究める―スキルアップしたい方へ―  
 
1.比較社会文化学府における人文地理学教育研究
 
 
 教育・研究機関の教員や研究者、地域政策分野での専門家等の人材育成をめざして、本学府の地域構造講座と基層構造講座の教員により、人文地理学に関する講義や演習が行われています(講義や演習の詳しい内容は次章以降をご覧ください)。どの講義・演習でも大学院生による人文地理学を基礎とする地域構造や地域政策に関する研究や、高等学校教諭教員免許状(地理歴史、公民)の取得等を支援する教育体制をととのえています。地域構造と地域政策に関しては本学府の教員を中心として、平成18 年にはミネルヴァ書房から『地域の構造と地域の政策』が、平成19 年には古今書院から『日本・アジアにおける地域の構造と開発』が出版されましたので、そちらもご参照ください。
  本大学院設置以降、人文地理学(含む社会開発論)を主な専攻として本学府の博士後期課程・同修士課程を修了した大学院生は、国内外の大学、中等教育機関、国際機関、行政機関、シンクタンク等に就職し、人文地理学の知識や研究成果を活かして、各分野で活躍しています。
 
2.人文地理学関係の教員紹介
 
 
 以下では人文地理学関係の3 名の教員を紹介します。
 山下潤准教授:専門である都市地理学を基礎とし、都市の環境や厚生を対象として、地域構造の視点から各種の地域政策・計画の実態をGIS 等を用いて把握するとともに、それらの課題についての研究を深めています。近年は緑地の減少や地球温暖化と都市構造と関係やこれらの環境問題に対処するための地域計画に関する研究をすすめています。
 佐藤廉也准教授:文化地理学を専門とし、人類史的な視野から様々な文化における人間行動を研究しています。現在は特に、焼畑移動農耕、山地農耕、狩猟・採集活動など、かつての人類が主要な生業としていた活動を対象とし、環境利用の実態とその人類史的な意味を説明することを課題としています(下図左参照)。主にアフリカと中国でフィールド研究をおこない、「森林移動農耕社会の集落動態」、「移動農耕社会の出生・死亡動態と定住化による人口転換」、「森林・サバンナの動態と人間活動の影響」、「中国黄土高原における退耕還林政策と土地利用変化」などの研究プロジェクトをすすめています(下図右参照)。
 阿部康久准教授:主に中国を対象にした経済地理学的研究を行っています。具体的には、国有企業改革に伴う産業立地と就業構造の変化や人口移動等に関して研究しています。また、最近では大学院生の関心にあわせて、外資系企業の立地や留学生の人口移動とキャリア形成に関する研究も行っています。
 
アフリカの焼畑   森林GIS による焼畑動態分析


 
3.講義・演習の内容
 
 
 平成20 年度は、人文地理学と関連した以下のような講義・演習を開講し、大学院生の研究を支援しています。
①講義
 山下:「都市政策論」を担当。都市における持続可能性という視点から、受講者と関連文献(20 年度にはGoverning Sustainable Cities)を輪読し、環境に配慮した地域政策・計画への理解を深めています。
 佐藤:「環境と人類」を担当。文化生態学、行動生態学、生態人類学を中心とする諸分野の文献を題材として、人間社会の動態を環境適応との関係において把握することをめざしています。
 阿部:「産業地域政策論」を担当。経済地理学を中心にしつつも、受講者の関心に合わせて、様々な視点から地域のあり方を考えていきます。
②調査研究方法論
 GIS(地理情報システム)の理論と技術の習得をめざし、実習を中心として講義を進めています。修得された技術は博士論文や修士論文等で活用されています(下図参照)。
③演習
 各回のゼミ担当者による発表とゼミ参加者・教員との討議等を通じて、修士論文、博士論文、投稿論文等の完成度を高めるよう努めています。