You Tube 九大比文 公式チャンネル
九州大学大学院比較社会文化学府・研究院の公式チャンネルを開設しました。
トップ  >  国際関係論・国際社会論のすすめ
 国際関係論・国際社会論のすすめ  
 
 【国家間関係から多層的国際関係へ】
 
 とくに近年、国際関係は現象として広大な拡がりと人々の日常生活にまでおよぶ深みをそなえてきた。国際関係を国家間の関係としてのみ取り扱う時代はすでに遠く過ぎ去ってしまった。しかも現代の国家は問題解決能力を低下させて、その「欠陥ぶり」が目立ち、地球的問題群、世界経済、安全保障のあり方など私たちを取り巻く国際環境は一国の政府の存在自体に非常な試練を課している。その一方で、非国家的行為主体の活動が華々しくなっている。各種のNGO をはじめとして、多国籍企業や国際機構、そして一人ひとりの市民が国境を越えて交流し相互に影響を与えながら、いわば「超国家間関係(trans-national relations)」を創り出している。なかでも、「地域」は特徴的な位置に占めて国家と国際社会全体をつなぐ媒介項としてその重要性を高めている。したがって、いま求められているのは、これら多様な行為主体の行動をトータルに把握する多層的な国際関係論であるが、「超国家間関係」を「国際社会論」として取り扱うこともひとつの試みであろう。
 
 【学際性と地域研究】
 
 このように対象とする現象は限りなく複雑に絡み合い多方面に入り込んでいるから、当然、その本質を把握しようとすれば、国際関係論や国際社会論は専門的諸科学を総合的に組織して活用しなくてはならない。そこではひとつのディシプリンに固執することはかえって有害ですらあり、方法論において学際性を追求することは大切であろう。広領域におよぶ現象分析には、旧来のパラダイムにとらわれない柔軟な頭脳が求められる。しかし、われわれは単なる理論的仮説の組み立てごっこに満足するわけでは決してない。対象に肉薄するためには地域研究をともなう実態の調査・研究が不可欠であり、思い込みや理想論の一方的強調や理論倒れに陥りやすいこの分野ではとくにそれが求められるであろう。ここでいう地域研究は対象の歴史、政治、経済、社会などを具体的に究明しようとするものであって、フィールド・ワークをともなうことが多いのである。
 
 【欧米近現代と私たちの課題】
 
 この学府では欧米社会講座に属する、高田和夫、松井康浩の二人がこの分野の研究教育を担当している。私たちは欧米近現代の歩みが上のような地球環境を生みだす原動力のひとつであったとみて、その動きを絶対視することなくなるべく相対化して理解したいと考えている。現在は具体的にはつぎのような課題を追究したいと思っている。私たちと一緒にこの大変に興味深い世界に分け入ってみませんか。
どうぞ遠慮なく、関心のある方は私たちに連絡をしてください。
  ① 欧米近現代の歴史、政治、経済、社会、対外関係等。とくに近代史の文脈における国民国家論の再検討
  ② 国際関係基礎概念の見直し(国家主権、ナショナリズム、パワー、安全保障等)
  ③ 国際関係概念の拡張(人権、女性・黒人・先住民、マイノリティ、開発と環境等)
  ④ 国際関係における「地域」の再発見(地域主義、地域統合、地域協力、EU、ASEAN 等)
  ⑤ 国際関係における行為主体の性格づけ(市民と市民権、ヒトの国際移動、多国籍企業論、国際機構論、文化摩擦等)
  ⑥平和研究との連携

【連絡先】
高田和夫
    TEL = fax 092-802-5616
    E-mail takada @ scs.kyushu-u.ac.jp
松井康浩
    TEL = fax 092-802-5617
    E-mail matsui @ scs.kyushu-u.ac.jp