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 政治の世界を探検しよう!―政治学分野の紹介  
 
 政治学は、研究者の数だけ定義があると言われるほど、規定が難しい学問です。しかし、大まかに述べて、国家や統治行為、政治権力をめぐる理念、思想、歴史、人々の行動様式、文化などを研究する学問分野だと述べることができるでしょう。
  本学府では、政治学を幅広く学ぶことができます。政治理論、政治思想、日本政治、国際関係論などの各分野です。思想や理論といった基礎的研究、および実際的関心に沿った問題解決的研究の双方が可能です。(国際関係論については別項に、より詳しい説明がありますのでそちらもご覧下さい。)
 
 各教員の研究や授業の主題
 
 
 各教員の研究関心、および担当している演習の今年度のテーマは次のようなものです。
 
 大河原伸夫:
   「政治」は私たちの思考枠組みと密接に関連しています。私たちの思考枠組みに検討を加え、現在の「政治」を批判的に考察することを課題としています。特に「力」や集合的な行動主体に焦点をあてています。授業では以上を踏まえつつ、受講者の必要に応じて、テキストを読むこともあり受講者が研究報告・書評を行うこともあります。
  清水靖久:
  日本政治思想史を研究しています。これまで主として20 世紀初頭の民主主義や社会主義や平和主義の思想を調べてきましたが、これからは広く20 世紀を通して、さまざまな政治思想を研究したいと思います。2005年度の演習では、日本の社会科学の歴史のなかで第二次
世界大戦後の日本の政治学を再検討することを試みています。
  鏑木政彦:
  専攻は政治思想史、ドイツ思想史。19 世紀後半から20 世紀初頭にかけての思想的転換のもつ政治思想的意義の究明を課題としています。最近は、思想史的背景を踏まえた社会科学の成立史に興味があります。大学院ゼミでは、近現代の思想史や社会科学の古典を読むようにしています。
  岡崎晴輝:
  政治理論専攻。市民自治の政治理論を構築することを模索しています。比文の演習では、主要な政治理論を把握できるように、キムリッカ『現代政治理論』を読むことにしています。私のホームページ(http://www1.ocn.ne.jp/?aktiv/)がありますので、ご笑覧ください。
  施光恒:
  政治理論、政治哲学。特に、現代リベラリズム論、人権論。最近は主に、リベラルな国家における文化やナショナリティの適切な位置づけのあり方に関し、研究を進めています。大学院の演習では、「ナショナリズムとコスモポリタニズム」、「人権理念と文化」などのテーマの下、議論しています。
  高田和夫:
  国際関係論や平和研究、ナショナリズム研究、ロシアの近代史と革命史研究などを通して、広くいえば「近代」が生み出したものが人間存在にとりいかなる作用を及ぼしたのかについて、なるべく広く考察することに現在もっとも関心をいだいています。
  松井康浩:
  政治社会史及び国際関係論を専門にしています。大学院の演習では、近年の国際関係理論の動向をフォローし、特に、国際社会の規範理論、地域安全保障論、国際関係におけるコミュニタリアニズム等を考察していきます。
 
 総合演習、論文指導、研究会について
 
 
 各教員が上記で言及している個別に担当する演習とは別に、複数の教員で担当する「総合演習」があります。政治学関係のものとしては、大河原・岡崎の担当する比較政治の総合演習、高田・松井の担当する国際関係論の総合演習、および清水・施の担当する「リベラリズムと福岡・日本・東アジア」(http://www.scs.kyushu-u.ac.jp/ho-shiso/liberal.html)と銘打ったものの三つが開講されています。それぞれの時間では、主に、受講の院生が研究発表を行い、皆でそれについて議論するというかたちをとっています。
  論文指導に関してですが、本学府では、個々の院生ごとに、複数(3人程度)の教員で「指導教員団」を組織し指導するという体制をとっています。各院生自身の研究テーマに応じて、教員を選び、指導教員団を組織することができます。その際に、全員を上記の7人のうちか
ら選んでもかまいませんし、歴史学、社会学、文学などの他の関連分野の教員を選び、指導教員団を組織することももちろん可能です。既存の学問分野にとらわれない学際性を特色のひとつとする本学府ですから、学際的指導教員団を組織することは大いに歓迎されます。
  最近の院生の論文のテーマをいくつか挙げてみますと、「日本の地方自治と民主主義」、「明六雑誌にみられる自由観」、「19 世紀イギリス思想――ジョン・ラスキンを中心に」、「コスモポリタニズムの可能性と問題点」、「中国のフェミニズム思想」、「第一次大戦期の日露関係
史」、「域内避難民を考える:モザンビークとIDP 保護」など、多岐に渡っています。
  本学府の正規の授業ではないですが、研究を深め、学術的報告の技量を磨き、人的なネットワークを広げる場として本学府の政治学関係の多くの院生が利用しているものに、学内外の研究会があります。主なものとして、法学府の政治学関係の教員や院生が多く参加する「九州大学政治研究会」や、九州大学だけでなく福岡大学などの近隣の大学の政治思想関係の教員や院生が集う「思想史研究会(九州北部)」、1985 年以来20 余年に渡り月例会を開いている「ソ連・東欧史研究会」などが挙げられます。
  以上のように、本学府では、さまざまな教員や他の院生との出会いを通じて、また多様な機会を利用して、政治学を幅広く学ぶことが可能です。意欲ある皆さんの入学を一同、心より期待しています。